ここでは、『遊ぶためのタロット』について解説をします。 グランペール版タロットカードや、ゲームファーム、 pagat.comなどを参考にしています。
日本でタロットカードと言えば、一般的に占いをするために使うカードであると認識されています。 しかし、ヨーロッパの地域では、タロットカードは占いをするためのカードであると同時に、 一般的なゲームカードでもあります。 ここでは、ゲームカードとしてのタロットについて解説します。
日本人にとって、最もゲーム用として扱いやすいタロットカードは、 グランペールタロット ですが、現在絶版で、カードを作っているグランペールがもうなくなってしまった(と思われる)ので、現在入手困難です。
現在入手可能で、日本人にも扱いやすいタロットカードは、 ヘロンゲームタローだと思います。 ただし、これはフランス製のカードなので、ランクの違いなど、注意が必要な部分があります。
占い用のタロットカードで、大アルカナ小アルカナ合わせて78枚から成っているカードでも遊べないことはありません。 しかし、占い用のカードは、手に持って遊ぶことを想定して作られてはいないので、非常に遊びにくくてオススメはしません。
歴史についてですが、正確な記録が残っていません。 というのも、カードゲームは庶民の遊びであって、記録が残るような貴族階級の人がプレイすることは少なかったと考えられるからです。 しかし、トランプに切札専用カードが付け加えられて、タロットの形になったということはおおよそ明らかであるようです。
タロットカードを使って遊ぶゲームは、主にトリックテイキングゲームです。 トリックテイキングゲームを遊ぶために、以下の78枚で構成されています。 言葉は、タロット占いの用語を借りている部分があります。
なお、小アルカナのスートは、トランプと同じく、 ♠ ♣ ♥ ♦の4つですが、 地域によっては違うスートを使うことがあります。 例えば、イタリアのタロットカードや占い用のタロットカードでは、 ♠が剣(ソードswords)、 ♣が棍棒(ワンドwands)、 ♥が聖杯(カップcups)、 ♦が金貨(ペンタクルpentacles)になっいます。
また、小アルカナの絵札のランクやスートは、言語やカードによって違うことがあります。 以下に対応を示します。
ゲーム用 | ♠ | ♣ | ♥ | ♦ |
---|---|---|---|---|
イタリア 占い用 |
剣 (ソード |
棍棒 (ワンド |
聖杯 (カップ |
金貨 (ペンタクル |
ゲーム用 | J |
C |
Q |
K |
---|---|---|---|---|
占い用 | P |
Kt |
Q |
K |
フランス |
V |
C |
D |
R |
タロットカードで遊ばれる、ほぼすべてのゲームでは、カードのランクの順は共通しています。 ですから、ここでランクについての説明をします。
先に説明した通り、大アルカナのカードは切札です。 小アルカナのどのカードよりも強くなります。
大アルカナの中では、数字が大きいカードが強くなります。
小アルカナのカードの中で強いカードは絵札です。 絵札は、強い順にK Q C Jです。
数札は、スートによってランクの順が変わります。 赤いスートは数字が小さい方が強く、 黒いスートは数字が大きい方が強くなります。
愚者については、ゲームによって役割は様々です。 しかし、どのカードよりも弱いカードとして扱われるか、 一番強い切り札として扱われるかのどちらかであることが多いようです。
先述の通り、タロットで遊ぶゲームのほとんどはトリックテイキングゲームです。 そして、多くのタロットで遊ばれるトリックテイキングゲームに共通する独特なルールとして、 マスト・ラフ(must ruff)と言うルールがあります。
基本的には通常のトリックテイキングゲームと同じです。 直前のトリックを取った人がリードをして、そのリードのスートのカードを持っていればそのカードをプレイします。 すなわち、マストフォローです。ここで、通常のトランプとは違って、 タロットカードには小アルカナの4つのスートに加え、切札スート(大アルカナ)があるので、 5つのスートがあることに注意してください。
しかし、ここが通常のマストフォロールールと違うのですが、 フォローできない場合は手札に切札(大アルカナのカード)があれば必ず切札を出します。 切札を出すことをラフ(ruff)と言います。
もちろん、マストラフルール以外のルールに従うこともあるので、 それぞれのルールのページで紹介されている記述に注意してください。
なお、タロットで遊ぶゲームは、多くがプレイの順番が反時計回りです。