アビナス
Avinas

CareleSmithひとみ
作成 修正 修正

ゲームファームpagat.comを参考にしました。

リトアニアの、特にユルバスカス(Jurbarkas)という街ででプレイされている トリックテイキングゲームです。 カードを配った結果によって2種類のプレイがあったり、 手札の切り札の枚数をビッドするという独特のビッドがあったりと、 特徴的な点が多いゲームです。

使うカードと遊ぶ人数

4人で遊びます。向かい合った2人はパートナーになります。

使うカードは通常のトランプから26を除いた32枚です。

カードの点数

カードの点数は次のようになっています。 全ての点数の合計は120点で、プレイの目標は61点以上の点数を集めることです。

A 10 K Q J 9 8 7
11 10 4 3 2 0

カードのランク

このゲームには切札がありますが、 どのスートのカードが切札になったとしても常にQJの8枚は切札になります。 QJは、カードにマークで書かれている、本来のスートを離れ、 本来のスートではなく切札のスートのカードとして扱われます。

切札でないスートでは、カードのランクは強いものから順に A 10 K 9 8 7 となります。

切札の強さは、強いものから順に、 Q 7 Q Q Q J J J J A 10 K 9 8 です。 スートが明示されてないカードは、切札のスートのカードです。

例えば、が切札になったとします。 この時、ランクとスートは次のようになります。

強← →弱
切札 Q 7 Q Q Q J J J J A 10 K 9 8
A 10 K 9 8 7
A 10 K 9 8 7
A 10 K 9 8 7

ゲームの流れ

ゲームの流れは次のようになっています。

  1. カードをくばる。配るときに、何枚かは表向きで配られる。
  2. カードを配った結果によって、以降のプレイが変わる。
    • 7が表向きになった場合、
      1. 表向きの7を配られた人がデクレアラーになる。
      2. デクレアラーが切札を宣言する。
      3. 諸々の宣言を行う(全トリック取る宣言や、ダブルなど)。
      4. トリックテイキングゲームのプレイを行う。
      5. 得点を付ける(ラム)。
    • 7が表向きにならなかった場合、
      1. ビッドでデクレアラーを決める。
      2. ビッドの結果、切札も決まる。
      3. トリックテイキングゲームのプレイを行う。
      4. 得点を付ける(ピップ)。
  3. これを繰り返して、どちらかのピップと呼ばれる点数が12点以上になったら終了。

ディール

最初のディーラーは誰がなっても構いません。 次のディールからは時計回りに交代します。

ディーラーは全員に4枚ずつ2回配ります。 配るときに、各プレイヤーの4枚目のカードと8枚目のカードについては表向きに配ります。 ただし、ディーラー自身とそのパートナーに配る4枚目、8枚目のカードは、 ディーラーだけが表を見て、それが7だったら表向きに、それ以外の場合は裏向きに配ります。

こうして32枚のカードを配り切ったときに、7が表になったかならなかったかでプレイの種類が変わります。

7が表になったとき

切札

表になった7を配られた人がデクレアラーになります。 複数の7が表向きになった場合は、最後に表向きに7を配られた人がデクレアラーです。

切札はその表向きになった7のスートです。

デクレアラーのペアに敵対するペアのことをディフェンダーと呼ぶことにします。

宣言

プレイの前に、デクレアラーかそのパートナーは、全トリック取ることを宣言することができます。 この宣言をすると、得失点が倍になります。 この宣言はテーブルを叩くことで行います。

全トリック取る宣言があった場合、ディフェンダーのうちの1人はテーブルを叩いて、 得失点をさらに倍にすることができます。 すなわちダブルをかけることができます。

全トリックを取る宣言があった場合、ディフェンダー側が1トリックでも取るとプレイが終わります。

プレイ

デクレアラーのオープニングリードから始めて、 トリックテイキングゲームのプレイを行います。

プレイは普通のマストフォローのトリックテイキングゲームに従いますが、 1トリック目と2トリック目のリードは必ず切札でしなければなりません。 もし、2トリック目のリードをするときに、手札に切札が無かった場合は、どのカードを出しても構いませんが、 後の人は切札を持っているならば切札を出します。リードで出されたスートをフォローする必要はありません。 言い換えると、2トリック目は切札でフォローしなければなりません。

もし、2トリック目のリードに、切札でないカードを出すときは、そのカードを裏向きで出すことができます。 裏向きで出した場合、2トリック目のプレイが終わった後にそのカードを表向きにします。

3トリック目からはこのような制限はありません。 普通のマストフォローのトリックテイキングゲームに従います。

得点: ラム(Ram)

8トリックのプレイが終わったら、得点をつけます。 得点はラム(Ram)と呼ばれる○印で表します。 ラムがある方が負けていることを表します。 相手にラムを書くときに、自分にラムがあるのであれば、 相手にラムをつける代わりに自分のラムをばつ印で消してゆき、 全て消えてから相手にラムをつけることができます。

つけるラムの個数は、次のようになっています。 まず、基本点を求めます。 基本点はカードを配ったときに、表向きになった7の枚数です。

書くラムの個数
デクレアラーが 自分に書くラム 相手に書くラム
61点以上 基本点の個数
60点以下 基本点の2倍

7が表にならなかったとき

ビッド

ビッドをしてデクレアラーを決めます。 ビッドをするのは、どれかのスートを切り札にしたときに、 自分の手札にある切札の枚数です。

例えば、自分の手札が Q J J 10 8 7 K 10 だったとします。 このときに、を切札にしたら、 Q J J 10 8 7 の6枚が、 を切札にしたら Q J J の3枚が、 を切札にしたら Q J J K の4枚が、 を切札にしたら Q J J 10 の4枚が切札として手札にあることになります。 ですから、この手札の時にビッドできる数字は、 6、4、3のいずれかになります。 なお、最大のものをビッドする必要はありません。

ビッドは、ディーラーの左隣から時計回りに1巡だけ行います。 ビッドの順番になったら、ビッドをするかパスをするかします。 一度ビッドがあったら、それよりも大きい数しかビッドできません。

一番最後にビッドした人(最も大きい数字をビッドした人)がデクレアラーになります。 もし、全員がパスした場合は、ディーラーを変えて配り直します。

プレイ

7が表になった場合は、全トリックとる宣言などはありません。 デクレアラーが決まったらすぐに、デクレアラーのオープニングリードから トリックテイキングゲームのプレイを始めます。

プレイの規則は7が表になった時と同じです。 すなわち、最初の2トリックは切札をリードしなければなりません。 2トリック目のリードに切札が出せなかった場合でも、切札でフォローしなければならない点も同じです。

デクレアラーは最初のトリックをリードするときに、 必ず切札をリードしますが、このときには必ずビッドした枚数に適合するスートをリードします。 例えば、先に挙げた例で、6のビッドでデクレアラーになったならば、 Q J J 10 8 7 のなかのどれかからリードをしなければなりません。 もしQJをリードしたならば、どのスートを切札にしたか宣言します。

デクレアラーは、プレイ中いつでもプレイを終了させる宣言ができます。 終了宣言でプレイが終わった場合、プレイされずに手札に残ったカードの点数は誰のものにもなりません。

得点: ピップ(Pip)

プレイが終わったら、得点をつけます。 この場合は、ピップ(Pip)と呼ばれる数字で得点をつけます。 ピップはゲーム中累計されます。 また、ピップは少ないほど優秀です(ただし少ないほど有利とは限りません)。

得点表(ピップ)
デクレアラー側の点数 61 6031 301 0
ディフェンダー側の点数 31 301 0 無関係
デクレアラー側のピップ なし +2 +4 +6
ディフェンダー側のピップ +1 +2 +3 なし

ゲーム

ゲームは、どちらかのピップが12以上になったときに終了します。 勝敗は次のように決めます、

  1. もし、ひとつのチームのピップが0の時、 ピップが12になった方のチームは負け。 (これは恥ずかしい負け方とされています。 伝統的には、その日にはもう次のゲームはやらず、また別の日に次のゲームをやるまで、 「猫」と呼ばれて区別されます。また、新しいゲームは新しいカードで行います。)
  2. それ以外の時、
    • ラムのついている方が負け。
    • どちらもラムがついていないならば、 ピップが大きい方が負け。