ブリスコラブジャルダ
Briscola Bugiarda

CareleSmithひとみ
作成

ニコリ137号を参考にしました。

古くからイタリアで遊ばれているトリックテイキングゲームだそうです。 Briscolaは「切札」、 Bugiardaは「詐欺」という意味だそうです。

このゲームは5人で遊ぶのですが、ナポレオンのように、 ビッドで決まったデクレアラーと、カードで指名されたパートナーがチームとなって、 他の3人(ディフェンダーと呼びます)を敵に回して戦います。 多くのトランプゲームではゲーム中に会話をすることは禁じられていますが、 このゲームはゲーム中に自由に会話ができます。 そして、嘘のことをしゃべるなどして、誰がパートナーなのかわからなくすることも自由です。

独特なビッドと、フォローが強制されていないトリックテイキングのプレイが特徴的です。

使うカードと遊ぶ人数

5人で遊びます。 ゲームを始める前に、全員に15枚ぐらいずつのチップを渡します。 ゲーム中の得点は、チップのやりとりで行います。

使うカードはイタリア系の40枚のトランプです。 通常のトランプから、8 9 10を取り除くことで代用できます。

カードのランクと点数は、強いものから順に次のようになっています。 得点は全部で120点あります。

A 3 K Q J 76542
11点 10点 4点 3点 2点 0点

ゲームの流れ

ブリスコラブジャルダは、次のような流れで遊ばれます。 プレイの進行はすべて反時計回りです。

  1. カードを配る。
  2. ビッドをする。
  3. 切札を宣言する。この時、ビッドとの組み合わせで自動的にパートナーも決まる。
  4. トリックテイキングのプレイをする。デクレアラーは60点以上取るのが目標。
  5. 得点のやり取りをする。

次から詳しく説明します。

ディール

最初のディーラーは誰がなっても構いません。 次からは反時計回りの順で交代します。

ディーラーは反時計回りにカードを1枚ずつ配ります。 全員の手札は8枚ずつになります。

ビッド

カードが配られたら、次はビッドです。 このビッドでは、取る点数などを宣言するのではなく、 パートナーを決めるためのカードのランクをビッドします。

このビッドでは、カードのランクをビッドします。 ビッドで、最も弱いランクをビッドした人がデクレアラーとなります。 そして、デクレアラーはパートナーを指定しますが、このパートナーはカードを使って指名します。 この時、指名に使うカードは、デクレアラーがビッドしたランクのカードのうち、 デクレアラーが切札と宣言したスートのカードを持っている人がパートナーとなります。 すなわち、より強いランクのカードでデクレアラーになったほうが、 パートナーの手札が強いことが保証されるわけです。 したがって、カードのランクが低いビッドの方がより強いビッドとなるわけです。

さて、ビッドの方法を詳しく説明します。 先ほど説明した通り、ビッドではカードのランクをビッドします。 Aが一番弱いビッドで、3KQ……42という風に、 ランクがより低いビッドの方が、ビッドとしては強くなります。 そして、最も強いビッドとして、「パートナーなし」が存在します。

ビッドはディーラーの右隣から行います。 ビッドの順番になった人は、今までビッドされたランクよりも強いビッド (すなわち、弱いランク)をビッドするか、 デクレアラーになりたくなければパスをします。 一度パスをしたら再びビッドをすることはできません。

最後までパスせずに残った人がデクレアラーになります。 もし全員がパスをした場合はディーラーを変えてカードを配り直します。

切札とパートナー決め

デクレアラーが決まったら、デクレアラーは切札のスートを宣言します。

そして、その宣言した切札のうち、デクレアラーがビッドしたランクのカード(パートナー指名カード) を持っている人がパートナーとなります。 誰がパートナーかは、パートナー指名カードがプレイされるまではわかりませんが、 パートナー指名カードを持っていると言うなどしても(それが事実であれ偽りであれ)構いません。 もし、パートナー指名カードがデクレアラーの手札にあるならば、 デクレアラーはパートナーなしでプレイすることになります。

以下、デクレアラーでもそのパートナーでもない人のことをディフェンダーということにします。 デクレアラー側は61点以上を取ることが目的で、ディフェンダーはそれを阻止することが目的です。

プレイ

デクレアラーがオープニングリードをしてプレイが始まります。 メイフォロートリックテイキングゲームです。

メイフォローはなかなか見慣れないので詳しく説明します。 まず、普通の(マストフォローの)トリックテイキングゲームでは リードされたスートのカードを持っていれば必ずフォローしなければなりません。 一方で、メイフォローのトリックテイキングゲームでは、 リードされたスートのカードを持っていたとしても、フォローする必要はありません

なお、トリックの勝者の決め方は普通と変わりません。 切札が出ていれば切札の中で最も強いカードを出した人が、 出ていなければリードのスートのカードの中でもとも強いカードを出した人がそのトリックを取り、 次のリードをします。

例えば、6がリードされて、 そのトリックにすでに切札である3が出されたとします。 この時、手札にAしかのカードがなければ 必ずそれを出さなければならないのがマストフォローです。 しかし、メイフォローではAを出す必要がありません。 違うスートのカードを出すことが許されるのです。

次の例として、が切札になった時に、 Aがリードされたとします。 この時、普通だったら手札にのカードがあれば必ずそれを出さなければなりませんが、 メイフォローではを持っていたとしても のカードを出して、そのトリックを勝ちに行くことが許されます。

得点

8トリック全てのプレイが終われば得点のやりとりに移ります。

得点表
デクレアラーがとった点数チップ
カポット(全トリック取る)+4
101〜120+3
81〜100+2
61〜80+1
41〜60-1
21〜40-2
0〜20-3
逆カポット(全トリック落とす)-4

デクレアラーが+2チップだった場合、ディフェンダー側の3人は全員1チップずつ出します。 そうすると6チップ集まるので、デクレアラーは4チップ、パートナーは2チップ受け取ります。 2:1の配分です。

デクレアラーが-1チップだった場合は、ディフェンダーの全員に1チップずつ支払えるように、 デクレアラーとパートナーが2:1の配分でチップを出し合います。 この場合なら、デクレアラーが2チップだし、パートナーは1チップ出します。 そしてディフェンダーは1チップずつ受け取ります。

ゲーム

行うディール数に決まりはないようです。 全員が1回ずつディーラーをやるまでだとか、時間を決めるだとか適当な方法で、 事前に決めておきましょう。