フェムコルト
Femkort

CareleSmithひとみ
作成

「クク大全」(2015、黒宮公彦、合同会社ニューゲームズオーダー版)によります。 ここで紹介するルールは、チップを使わなくて済むようにいくらか改変したものです。

スウェーデンのゲームです。今遊ばれているかはわかりません。 Femkortは「5枚のカード」という意味です。 ククカードのスウェーデンの地方札 「キッレ」も似たような遊び方をされることがありますが、 これはトランプで遊ばれていたフェムコルトがキッレのカードに輸入されたものという説があります。

トリックテイキングゲームに似たようなプレイを行います。 5枚の手札で、最後のトリックに勝つことが目的です。

使うカードと遊ぶ人数

2〜10人なら何人でも遊べます。

使うカードは通常のトランプ52枚で、ランクは強いものから順に、 A K Q J 10 9 8 7 6 5 4 3 2 です。

ディール

最初のディーラーは誰がなっても構いません。 次のディールからは時計回りで交代します。

ディーラーは全員の手札が5枚になるように、カードを1枚ずつ配ります。 配り方は、3枚まとめて1巡配り、次に2枚まとめて1巡配るようにしても構いません。

プレイ

ディーラーの左隣からオープニングリードを行なって、 トリックテイキングゲームのプレイを開始します。

フォローの規則は次のようになっています。

  • リードのスートのカードを持っている場合
    1. そのトリックに今まででた、リードと同じスートの、 どのカードよりも強いカードを持っているならば (そのトリックに勝てるカードを持ってるならば)、 必ずそういうカードを1枚出します。
    2. そういうカードがないならば、好きにリードと同じスートのカードを1枚選んで出します。
  • リードのスートのカードを持っていないならば、 何でも良いので1枚出します。

全員がカードを1枚ずつ出したら、リードと同じスートのカードの中で、 もっとも強いカードを出した人がそのトリックを取り、次のリードをします。

そうやって、第5トリックまでプレイします。

得点とゲーム

第5トリックを取った人は1点を得ます。 全員がディーラーを1回ずつ勤めたら(人数と同じ数だけのディールをしたら) ゲームは終了し、もっとも点数を集めた人が勝ちとなります。

きゅうり
Cucumber

CareleSmithひとみ
作成

「クク大全」(2015、黒宮公彦、合同会社ニューゲームズオーダー版)によります。 チップを使わなくても済むように幾らかルールを書き換えています。

スウェーデンで「グルカ(Gurka)」 デンマークで「アグルク(Agurk)」 ポーランドで「オゴレク(Ogórek)」 などと呼ばれているゲームで、どれも「きゅうり」という意味です。 ですから、イギリスのトランプのゲームの本では、 「キューカンバー(Cucumber)」と紹介されていますが、 遊んでいる人は多くないようです。

「5本のきゅうり(Fünf Gurken)」というボードゲームの元となったゲームでもあります。

上のフェムコルトが、キッレのカードに輸入されたとき、 「最後のトリックに勝つこと」が目的だったのが、「最後のトリックに勝たないこと」が目的に変わった遊び方が派生しました (クリュップキッレKrypkille)。 この遊び方がトランプに逆輸入されて生まれたのが、きゅうり系統の遊び方だという説があります。

使うカードと遊ぶ人数

3〜8人なら何人でも遊べます。

使うカードは通常のトランプ52枚です。

カードのランクは、強いものから A K Q J 10 9 8 7 6 5 4 3 2 で、カードには次のような点数があります。 この点数は罰点で、この点数を集めないことが目的になります。

A K Q J 102
14点 13点 12点 11点 数字通り

ディールとプレイ

最初のディーラーは誰がなっても構いません。 次のディールからは時計回りに交代します。

ディーラーはカードを全員に6枚ずつ配ります。 余ったカードは使わないので、脇によけて置きます。

カードを配ったら、ディーラーの左隣が手札から好きにカードを出して、 プレイを開始します。 プレイでは、トリックテイキングゲームと同じように、 誰かが出したカードに対して、全員が時計回りの順にカードを1枚ずつ出します。 カードを出す人は、次の規則に従ってカードを出さなければなりません。

  1. そのトリックの中で今まで出たどのカードよりも強いカードを出さなければなりません。 同じランクのカードは、後出しの方が強い扱いになるので、 今まで出たカードの中で最も強いカードと同じランクのカードを出すこともできます。
  2. もし、そのようなカードを持っていなければ、 手札にあるカードの中で、最も弱いカードを出さなければなりません

全員が1枚ずつカードを出したならば、その中で一番強いカードを出した人 (上でも書きましたが、同じランクは後に出したカードの方が強くなります) がそのトリックを獲得します。 トリックテイキングゲームと同じく、獲得したカードは裏向きにして脇に置きます。 そして、カードを獲得した人が新しく次のカードを1枚出し、次のトリックを始めます。 これを第6トリックまで行います。

得点とゲーム

第6トリックを取った人は、第6トリックに自分が出したカードの点数がそのまま罰点になります。 罰点はゲーム中累計します。

累計の罰点が30点を超えた人は、ゲームから抜けます。 しかし、ゲームから抜けても一人1回までゲームに復帰することができます。 しかし、ゲームに残っている人が4人以上いるときにしか復帰できず、 復帰した場合、一番累計の罰点が多い人と同じ罰点を持って復帰します。

このようにして、ゲームに残っている人が2人になったらゲーム終了です。 この時点で罰点が少ない方が勝ちです。

グルカ
Gurka

CareleSmithひとみ
作成

「クク大全」(2015、黒宮公彦、合同会社ニューゲームズオーダー版)によります。 チップを使わなくても済むように幾らかルールを書き換えています。

上のきゅうりのスウェーデンでの遊ばれかたです。 20世紀の初めあたりのゲームのようです。

使うカードと遊ぶ人数

何人でも遊べます。

使うカードは通常のトランプ52枚です。

カードのランクは、強いものから A K Q J 10 9 8 7 6 5 4 3 2 で、カードには次のような点数があります。 この点数は罰点で、この点数を集めないことが目的になります。

A K Q J 102
14点 13点 12点 11点 数字通り

ディールとプレイ

最初のディーラーは誰がなっても構いません。 次のディールからは時計回りに交代します。

ディーラーはカードを全員に6枚ずつ配ります。 余ったカードはこのディールでは使いません。

カードを配ったら、ディーラーの左隣が手札から好きにカードを出して、プレイを開始します。 プレイでは、トリックテイキングゲームと同じように、 誰かが出したカードに対して、全員が時計回りの順にカードを1枚ずつ出します。 カードを出す規則は次のようになっています。

  1. 最初にカードを出す人はどのカードでも出して構いません。
  2. 最初にカードを出す人以外は、直前の人が出したカードより強いカードを出します。 カードは後に出した方が強い扱いなので、直前の人と全く同じランクのカードを出すこともできます。
  3. もし、そのようなカードを持っていなければ、 手札にあるカードの中で、最も弱いカードを出さなければなりません
  4. 直前の人がAを出した場合、 それに対してAを出すことはもはやできません。 直前の人がAを出した場合は必ず手札の一番弱いカードを出します。 Aを出した直後の人でなければ、同じトリックでAを出すことは可能です。

「直前のカードよりも強いカードを出す」というところが、 「今まで出ているどのカードよりも強いカードを出す」というルールであったきゅうりとは違うところです。

全員がカードを出したら、その中で一番強いカードを出した人がそのトリックを獲得します。 同じランクのカードが2枚以上出ていた場合は、後に出した人が獲得します。

トリックを獲得した人は、獲得したトリックを裏に向けて脇におき、 次のトリックの最初のカードを出します。

このようにして第5トリックまで行います。

得点とゲーム

第5トリックまで終えると、全員は手札を1枚だけ持っている状態になるはずです。 こうなったら、全員は残った1枚の手札を同時に表向きにします。

表向きになったカードの中で、最もランクが強いカードを持っていた人が負けです。 最も強いランクのカードを持っていた人が複数いた場合は、持っていた人全員が負けになります。

負けた人は、自分が持っているカードの点数をそのまま罰点として得ます。 得た罰点はゲーム中累計します。

累計の罰点が30点を超えた人は、ゲームから抜けます。 これを「飛び去った」とか「キュウリになった」とかと言います。 しかし、キュウリになった人は、一人1回までゲームに復帰することができます。 しかし復帰した場合、一番累計の罰点が多い人と同じ罰点を持って復帰します。

こうやってゲームに残っている人が1人になるまでディールを繰り返し、 最後に残った1人が勝ちです。