Phantom Magic Vision All Japan Championship 2011 参加者の皆様お疲れさまでした。今大会でジャッジを務めさせて頂いたくろと申します。ジャッジとして本戦を通じて感じた主催者としての雑感を書かせて頂きます。
まず、BEST16のデッキの内訳は以下のようになっています。
1位:案山子(にとり&ポロロッカ+プリズムリバー三姉妹)
2位:まゆみ(てゐ&因幡の素兎+エンパシー八雲 紫&藍)
3位:yori(にとり&ポロロッカ+プリズムリバー三姉妹)
4位:Sone(衣玖&雷鼓弾コントロール)
8位:MASATO(死霊の復活+雨の源泉コントロール)
8位:スキマ妖怪(にとり&ポロロッカ+プリズムリバー三姉妹+エンパシー八雲 紫&藍)
8位:ノチタ(パチュリー除去コントロール)
8位:音信(ノーキャラクターによる連結バーン)
16位:akami(中速ビートダウン+雨の源泉)
16位:fai(孤高の監視者+衣玖&雷鼓弾コントロール)
16位:アイリス(エンパシー八雲 紫&藍+マクロバースト)
16位:ぎざみ(衣玖&雷鼓弾コントロール)
16位:きゅうり(パチュリーコントロール)
16位:ヨシ@92(てゐ&因幡の素兎+エンパシー八雲 紫&藍+にとり&ポロロッカ)
16位:ゐど(てゐ&因幡の素兎+にとり&ポロロッカ+戦車ビート)
※敬称略、同順位内は順不同
※引き分けにより階段が生じ3回戦終了時点で残ったのは15名のみ
デッキタイプとしてみた場合、現環境は非常に様々なデッキタイプが混在しメタを形成している環境と言えるのではないでしょうか。デッキタイプが非常に多いためかサイドボードの枠が足りない、ある程度切り捨てなければならないといった意見も耳にしました。ただ、昔のグッドスタッフの様なデッキタイプは尖ったデッキに対してついて行けないパターンも多く、所謂切り札的なものが存在するデッキの方が上位に存在する印象を受けました。次にカードの採用枚数の観点からの上位を見て行きましょう。
BEST16のカードの採用枚数は以下のようになっています(採用枚数10位以内のカードを記載)。
キャラクターカード編
1位:No.669 くるみ 21枚
2位:No.678 小悪魔 19枚
3位:No.490 河城 にとり 15枚
4位:No.675 サニーミルク 13枚
5位:No.035 八雲 藍 12枚
5位:No.691 八雲 紫 12枚
7位:No.690 永江 衣玖 11枚
8位:No.015 サニーミルク 10枚
9位:No.472 倫敦人形 9枚
9位:No.016 ルナサ・プリズムリバー 9枚
9位:No.017 リリカ・プリズムリバー 9枚
9位:No.018 メルラン・プリズムリバー 9枚
9位:No.584 騒霊三姉妹チーム 9枚
9位:No.030 霧雨 魔理沙 9枚
9位:No.023 因幡てゐ 9枚
キャラクターカードで一番の採用されていたカードはNo.669 くるみでした。序盤から相手のライフを削りつつノードの補給も可能なため序盤から攻めにいく姿勢のデッキである場合非常に有用なカードである事は皆さんも実戦で体感されているかと思います。2位のNo.678 小悪魔も天空の覇者からのカードです。序盤から相手のくるみを止めたり、No.706 サンシャインニードルをセットしてマナチャージしたり、No.753 エンパシーから八雲 紫&藍と殴りに行ったりと汎用性の高さが評価された結果でしょう。 3位のNo.490 河城 にとりは結構意外ではありますが、ビートダウンの手札補充手段のNo.437 水符「河童のポロロッカ」の術者であり自身も隠密持ちとアタッカーとして非常に強力なキャラクターであることが理由のようです。以下は死なないマナチャージャーであるNo.675 サニーミルク、エンパシーからセットで出てくる紫&藍、現環境有数のコントロール能力を持つNo.690 永江 衣玖、最速で場に出せるマナチャージ持ちのNo.015 サニーミルク、プリズムリバー姉妹、中速コントロールの代表格のNo.030 霧雨 魔理沙、No.522 兎符「因幡の素兎」を早撃ちするためのNo.023 因幡てゐと納得のキャラクター群で構成されてます。
スペルカード編
1位:No.608 脳符「ブレインフィンガープリント」 17枚
2位:No.437 水符「河童のポロロッカ」 15枚
3位:No.212 新史「新幻想史 −ネクストヒストリー−」 13枚
4位:No.706 陽光「サンシャインニードル」 12枚
5位:No.522 兎符「因幡の素兎」 9枚
5位:No.721 電符「雷鼓弾」 9枚
5位:No.605 鬼声「壊滅の咆哮」 9枚
5位:No.657 天竜「雨の源泉」 9枚
9位:No.207 光撃「シュート・ザ・ムーン」 8枚
10位:No.435 譫妄「イントゥデリリウム」 6枚
上位のデッキで最も使われたスペルカードはNo.608 脳符「ブレインフィンガープリント」でした。使用に条件があり手札公開のデメリットが存在するものの、割り振れる6点火力は非常に優秀であることが示されています。特にプリズムリバーデッキとの相性が良く、優勝者及び3位のプリズムリバーデッキの躍進を支えた1枚と言っても差し支えないでしょう。2位のNo.437 水符「河童のポロロッカ」もにとりと合わせて手札消費の激しい高速ビートダウンに採用され、デッキの回転率を劇的に向上させる事が可能な1枚です。 3位のNo.212 新史「新幻想史 −ネクストヒストリー−」も高速展開をするデッキにとってはもはやお馴染みのパーツと言っても差し支えないでしょう。 以下を見ると、もっぱら小悪魔がマナチャージ出来る様にして高速展開を可能とするNo.706 陽光「サンシャインニードル」、強力フィニッシャーであるNo.522 兎符「因幡の素兎」、衣玖&雷鼓弾コントロールの象徴No.721 電符「雷鼓弾」とその威力増加に役立つNo.605 鬼声「壊滅の咆哮」、成功すれば大幅なアドバンテージを叩き出すNo.657 天竜「雨の源泉、中速デッキのお供No.207 光撃「シュート・ザ・ムーン」、0コストで使え雷鼓弾とも相性の良い除去のNo.435 譫妄「イントゥデリリウム」と続いています。
コマンドカード編
1位:No.737 神秘の卵 32枚
2位:No.075 マナの生成 29枚
2位:No.736 緑眼のジェラシー 29枚
4位:No.092 強引な取引 25枚
5位:No.462 是非曲直庁の威令 23枚
6位:No.226 香霖堂 18枚
7位:No.099 離反工作 14枚
8位:No.753 エンパシー 12枚
9位:No.084 秘密結社 10枚
10位:No.278 守矢神社 9枚
10位:No.244 風祝の奇跡 9枚
10位:No.078 黄泉の船 9枚
一番採用されていたカードはNo.737 神秘の卵の32枚でした。低ノードの万能サーチカードとしてデッキを安定させる事が可能な点などから非常に多くのプレイヤーが採用に至った様です。 2位のNo.075 マナの生成は純粋なノード加速として、No.736 緑眼のジェラシーは神秘の卵を潰したり、相手のキャラクターを1コスト&コマンドタイミングで倒せる事が採用につながった模様です。 以下のカードはもはや基本カードと言えるNo.092 強引な取引、優秀なカウンターであるNo.462 是非曲直庁の威令、4枚もデッキを掘り進めるNo.226 香霖堂、中速デッキの切り札と言えるNo.099 離反工作、爆発力が見込めるNo.753 エンパシー 、万能カードのNo.084 秘密結社、No.657 天竜「雨の源泉」の連結素材である2種類+冥界肥しに使えるNo.078黄泉の船となっています。
環境総評
あくまでBEST16のデッキでの判断となりますが、所謂上位陣のデッキタイプは非常に多様化しており、より複雑なメタゲームの様を呈しているのではないかと思います。今回は上位に入りませんでしたが、天空の覇者では優秀な小型も増えてウィニー気味のデッキも十分な強さを秘めているかと思います。今後本大会の結果を見た上で環境にどのような影響が現れるのか、新たなデッキタイプが生まれるのかを考えると一プレイヤーとして非常に楽しみです。
VisionTournamentCommittee審判団 くろ |