ミティガーティ
Mitigati

CareleSmithひとみ
作成

ゲームファームを参考にしました。

イタリアのピエモンテ州やロンバルディア州でプレイされているゲームです。 ここで示すのは、ピネロロ町で遊ばれているルールだということです。 ビッドの方法が、現代的なビッドとは違って、かなり特徴的です。

遊ぶ人数

3人で遊ぶゲームです。

用意するもの

タロットカード78枚を使って遊びます。 タロットカードの構成やランクの順は、リンク先を参照してください。 なお、現地では切り札のIは「パガット」と呼ばれています。

カードの点数は以下のようになっています。 合計で129点あります。プレイの目的は、カードの点数をたくさんとることです。

XXI IOKQCJ
各5点45432各1点

さらにこのゲームではチップも使います。 最初は、全員が同数のチップを持つように配りましょう。 ひとりあたり50〜100チップあれば足ります。

ディールとビッド

最初のディーラーは任意で決めます。 以降は、プレイが行われた後は反時計回りに交代します。 プレイの順番も全て反時計回りで行います。

ディーラーはカードをシャッフルしたら、左隣の人にカットしてもらいます。 カットが終わったら、ディーラーは自分の右隣からカードを5枚ずつ配ってゆきます。 しかし、カードを配る途中でビッドが3回行われます。 このビッドが成立した場合は、ディールの途中でもディールが終わり、 点数のやり取りを行なった後、実際のプレイを行わず、次のディールをします。

ディールの流れは次のようになります。

  1. 全員に5枚ずつ2回配る。
  2. ビッドをする。
  3. 全員に5枚ずつ1回配る。
  4. ビッドをする。
  5. 全員に5枚ずつ1回配る。
  6. ビッドをする。
  7. 全員に5枚ずつ1回配る(ディーラー自身にのみ8枚配る)。
  8. プレイを始める。

ビッド

実際のビッドの流れは次のようになります。 (ビッドというよりは「提案」と言った方が正確かもしれません) ビッドには以下の4種類があります。パスはありません。

n点支払い
n点支払うので、プレイはやめましょう」というビッドです。
ゼロ
「点数の授受はしませんが、プレイはやめましょう」というビッドです。
n点受け取り
n点受け取るのであればプレイをやめても構わない」というビッドです。
プレイ
「プレイを続行しましょう」というビッドです。

実際にn点支払い・受け取りのビッドをするときは、 nに自然数を代入して宣言します。

ビッドはディーラーの右隣からはじめて、反時計回りに、何周でも行います。 ビッドをするときは上の4つの中から一つを選んでビッドをします。 1周目のビッドではどのようなビッドでもできますが、 2周目以降は、直前の自分のビッドより、より少額を受け取るか、より多額を支払うビッド (すなわちより不利なビッド)しかできません。 ただし、プレイのビッドはいつでもできます。

プレイのビッドがあった場合は、即座にビッドをやめてディールを続けます。

誰もプレイのビッドをせず、ビッドが1周以上回った時に、 3人の支払いと受け取りの点数が一致した場合、そこでビッドは終了します。 そしてビッド通りに点数(チップ)の授受を行なってディールを終了します。 ディーラーを変えずに、また新しくカードを配りはじめてください。

ディーラーの捨札

3回のビッドの結果、プレイされることになった場合、全てのカードを配ってプレイが始まります。 しかし、初めに配られる手札は、ディーラーが28枚、そのほかのプレイヤーが25枚となって、 ディーラーが3枚多く手札を持っていることになります。 したがって、プレイを始める前にディーラーは3枚のカードを捨て札にします。

捨札にするカードには、以下の制約があります。

  • K、切札XXI、愚者Oのカードは 捨札にしてはいけません。
  • 切札のIは、手札に他の切札がある時には、捨札にしてはいけません。

捨札にしたカードは、最後にディーラーがとったカードとして得点を計算します。

手役

ディーラーが捨札をした後、手札に、以下に示す手役がある人はそれを宣言します。

タロッキ(Tarocchi)
手札の中に切札が10枚以上がある時につく役。この時に限り、Oも切札とみなします。 タロッキを宣言するときは、宣言した数の切札を他のプレイヤーに見せます。 点数は、手札にある切札の枚数と等しくなります。
キング(Reale)
手札にKが4枚ある時につく役。点数は20点です。 また、手札に切札IXXI、愚者Oのいずれかがあれば、 1枚につき5点加算されます。
ミティガーティ(Mitigati)
切札IXXI、愚者Oの全てが手札にあった時につく役。点数は15点。 また、手札にKがあれば、1枚につき5点加算されます。
オノリ(Onori)
K、切札IXXI、愚者Oの中から4枚以上を持っている時につく役。 点数は4枚で10点、さらにカードが1枚増えるごとに5点加算されます。

キング、ミティガーティ、オノリを宣言するときは、 役になっているカードを見せる必要はなく、役の種類と枚数だけ宣言すれば良いです。 例えば、「キング4枚にミティガーティ1枚」とか「オノリの5枚」というふうに宣言をします。

なお、キング、ミティガーティ、オノリは重複しません(加算用に使うこともできません)。

手役を宣言した人がいれば、その人は他の2人のプレイヤーから手役の点数分のチップをそれぞれもらいます。

プレイ

手役の宣言まで終われば、トリックテイキングゲームのプレイが始まります。 オープニングリードはディーラーの右隣のプレイヤーです。

トリックテイキングゲームのプレイでは、フォローの義務があります。 また、フォローできない時は、手札に切札があれば必ず切札を出さなければなりません。 リードのスートが手札になく、さらに手札に切札もない時は好きなカードを出しても構いません。

愚者Oの役割

このゲームでの愚者Oの扱いは次の通りです。

Oはどのスートにも属しません。Oはカードのプレイの規則を無視して、いつでも出すことができます。 もしOがリードだった場合は、2人目は好きなカードを出すことができます。 3人目の人は2人目が出したカードがリードされたカードであると考えてプレイします。

Oは一番弱いカードとして扱われます。愚者を出したトリックはとることができません。 しかし、Oはトリックに勝ったプレイヤーではなく、Oを出したプレイヤーがとります。 Oが出たトリックでは、Oを出した人はO1枚を取り、 トリックに勝った人はO以外の2枚ををとり次のリードを行うということになります。

得点

最後のトリックまでプレイが終わると得点を計算します。 得点は、プレイでとったカードの点数(ディーラーは捨札も含めます)の合計から、 3人の点数の平均である43点を引いたものになります。

例えば、3人がとったカードの点数がそれぞれ50点、41点、38点だったら場合、 それそれのプレイヤーは7チップ受け取り、2チップ支払い、5チップ支払いとなります。

ゲーム

何ディールかやって、持っているチップが一番多い人が勝ちです。

ゲームを終わらせるタイミングはプレイしている人の取り決めによりますが、 実際にプレイが行われて、ディーラーが最初にディーラーをやった人に移る直前にゲームが終わるようにしましょう。